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一般社団法人日本人材育成協会

JAPAN PERSONNEL DEVELOPMENT ASSOCIATION

労務管理TOPICS

育休給付金を非正規労働者などにも 政府が抜本的見直しを検討!(令和4年7月4日.朝日新聞)

政府は、子どもが1歳になるまでの間の育児休業中に支払われる育児休業給付の対象者を拡大するため、制度の抜本的見直しの検討に入りました。現在の対象は正社員を中心とした雇用保険の加入者に限られていますが、非正規労働者や、出産や育児で離職した再就職希望者などを念頭に拡大をめざす。財源問題を伴うだけに、負担をどうするかが大きな焦点となりそうです。

●複数の政府関係者が明らかにしました。少子化対策は喫緊の課題で、育休給付の対象拡大は、子育て世代が男女ともに収入やキャリア形成に不安なく、仕事と子育てを両立できる環境整備を進めるねらいがあります。見直しの背景には、雇用保険制度の限界があります。加入には「週の労働時間が20時間以上」「31日以上の雇用見込み」などの要件があり、加入できる非正規労働者は一部にとどまります。フリーランスや自営業者も対象外です。そもそも雇用保険の主な財源は事業主と労働者から徴収する保険料のため、子育て支援より失業防止が重視され、育休給付の対象者は限定されています。それでも近年は利用者が増え続け、来年度に赤字に陥る可能性があります。このため、政府内では現行制度では対象拡大は難しいとの見方が強まっています。給付を雇用保険制度から切り離す案も浮上していますが、その場合、新たな財源をいかに捻出するかが課題となります。

●首相は昨年の自民党総裁選で、消費増税は「10年程度は上げることは考えていない」と「封印」しており、「考えられる財源は限られる」(政府関係者)といいます。現時点で浮上しているのは、医療保険や介護保険といった他の公的保険から「協力金」を拠出させる案や、全国の企業から集めている「事業主拠出金」を活用する案などです。ある政府高官も「企業から協力を得たい」と漏らしています。ただ、いずれも企業や個人に対して負担増となるため「参院選の前には議論できない」(政府幹部)のが本音で、具体的な検討は選挙後に先送りされています。政府は、妊娠や出産、育児を通じて切れ目ない支援をするため、一元的な支援体制や制度をつくりたい考えで、年末にかけて今後の取り組みを工程化する方針です。その過程で育休給付の拡大範囲などを議論し、実現に必要な財源をどう確保するのかを検討します。
2022年07月04日 09:03

2022年10月より、労働者数にかかわらず歯科健康診断結果の報告が義務に!!(令和4年6月30日.厚生労働省)

労働安全衛生法により、有害な業務に従事する労働者に対しては、歯科健康診断を実施することが義務とされています。現行法において、その結果を所轄労働基準監督署へ報告する義務があるのは、常時50人以上の労働者を使用する事業者になります。この労働者の人数要件が2022年10月より撤廃され、労働者の人数にかかわらず、歯科健康診断を実施した場合には報告が義務となります。

●歯科健康診断結果の報告書式は、改正により新しくなります。現行の「定期健康診断結果報告書」から、歯科健康診断に係る記載欄が削除され、「有害な業務に係る歯科健康診断結果報告書」が新設されます。したがって、歯科健康診断実施対象者がいる場合、常時50人以上の労働者を使用する事業者は、「定期健康診断結果報告書」と「有害な業務に係る歯科健康診断結果報告書」の2つの報告書の提出が必要になります。一方、常時50人未満の労働者を使用する事業者も、「有害な業務に係る歯科健康診断結果報告書」の提出が必要になります。

●いままで報告義務のなかった50人未満の労働者を使用する事業者も、歯科健康診断の結果報告書の提出が義務となります。 歯科健康診断の対象となる労働者が自社にいるのかを再度確認したうえで、実施の案内、報告書の提出を忘れずに行ないましょう。
2022年06月30日 09:31

外国人労働者に特化した統計を新設へ…賃金・勤務形態など把握、待遇改善に活用!(令和4年6月30日.讀賣新聞)

厚生労働省は、国内企業で勤務する外国人労働者の賃金や勤務形態、労働時間などを把握できる統計を来年度に新設する方針を固めました。外国人労働者に特化した統計が整備されるのは初めてです。統計は労働市場の分析や政策立案の基盤データと位置づけられ、外国人労働者の待遇改善や就業支援、専門性の高い人材と企業のマッチングなどに活用します。同省は来年度の概算要求に関連費用を盛り込む方針です。

●同省によりますと、昨年10月時点の外国人労働者は約172万7000人で、9年連続で過去最多を更新。国内全労働者の3%程度を占めています。新型コロナウイルスの感染拡大から経済活動が回復すれば、就労者数はさらに増えると見込まれます。労働市場における割合も、少子化に伴い日本人労働者が減少する中で、相対的に高まっていくとみられています。外国人労働者を巡っては、同省が集計する「外国人雇用状況の届出」で、技能実習や永住者といった在留資格別の人数が把握できるにとどまります。賃金については、賃金構造基本統計調査の一部に外国人のデータが含まれていますが、サンプル数が少ない上に勤続年数と昇給の関係など詳細な内容がないため、労働実態の把握は困難でした。

●新統計は日本人労働者との比較を可能にするため、同省が従来実施している雇用動向調査などと同様の事項を盛り込みます。
具体的には、
▽正規・非正規など雇用形態別の労働者数
▽賃金
▽労働時間
▽離職率
などを数値化し、産業別や企業規模別、都道府県別に示します。個々の外国人労働者や勤務先の事業所に対する調査は来年度から年1回実施します。国籍や在留資格・期間のほか、職種や収入、昇給、勤続年数、社会保険への加入状況など雇用・労働に関する項目を中心に調べます。母国での学歴、親族への仕送り額といった外国人に特有の項目も設けます。調査方法としては、外国人を雇用している事業所を通じて調査票を送付するほか、直接回答できる多言語対応の専用サイトを新設します。調査の詳細な内容は現在、同省の有識者研究会で検討中で、総務省の承認を得て決定することになります。
2022年06月30日 09:20

トラックドライバーの残業や有給所得が若干改善 全日本トラック協会調べ!(令和4年6月28日.日刊自動車新聞)

全日本トラック協会(全ト協、坂本克己会長)は、トラック運送事業者の働き方改革の進捗に関するモニタリング調査の結果を発表しました。それによりますと、時間外労働時間(法定休日労働を含まず)が960時間を超えるドライバーがいる事業者の割合が、前回調査比0.9ポイント減の27.1%となり、若干の改善がみられました。しかし、依然として3割近くを占めており、全ト協が目標とする2024年度までの「960時間超ゼロ」の達成には、さらなる取り組みが必要な状況です。

●調査は、2022年1月に運送事業者1192社(前回調査と同じ事業者)を対象に実施。727社から回答を得て、ドライバーおよび事務職員など「一般労働者」の働き方改革の進み具合を調べました。一般労働者の時間外労働時間については、年720時間を超える事業者は同0.3ポイント減の13.8%となっており、ドライバーと比べ働き方改革の進んでいる様子が改めて示されました。有給休暇の取得については、年次有給休暇付与日数が10日以上のドライバーについて、年休を5日以上取得させているかを尋ねたところ、「5日に満たない労働者はいない」が前回比2.8ポイント増の82.4%でした。また、一般労働者も「5日に満たない労働者はいない」が同3.0ポイント増の84.9%となり8割を超えました。

●月60時間超の時間外労働に対する時間外割増賃金率引き上げの準備については、「既に割増賃金率50%を適用している」が同0.7ポイント増の8%でした。そのうち「大企業であり既に適用」が同0.4ポイント増の4.1%、「中小企業だが既に適用」が同0.3ポイント増の3.9%でした。「2023年4月までに割増賃金率50%に対応できるよう、対策を検討している」は、同3.5ポイント増の53.4%でした。「まだ対策等の準備は行っていない」は18.8%で、前回より5.2ポイント減り、賃金改善の取り組みが進んでいる様子がわかりました。
2022年06月28日 09:17

働く女性 40代以上7割が更年期障害の症状 2割が有給休暇で対応!(令和4年6月28日.NHKnews)

働く女性の「生理痛」や「更年期障害」に関する労働団体の調査で、40代以上の7割余りが更年期障害と思われる症状を感じ、2割近くが有給休暇を取って対応したことが分かりました。

●労働団体の「連合東京」は、女性が働き続けられる環境を整えようと、ことし3月から4月に生理痛や更年期障害に関するアンケート調査を行い、働く女性1319人から回答を得ました。 その結果、生理痛が「ある・あった」という回答は90%で、
症状が重いときの対処法としては
▽「通院・薬の服薬」が62%と最も多く
▽「有給休暇」が14%だった一方で
▽「生理休暇」は半分以下の6%にとどまりました。

●40代以上の713人に、更年期障害と思われる症状があるか聞いたところ「疲れやすい」とか「肩凝り・頭痛」、それに「イライラする」などの何らかの症状を答えた人は74%で、
対処法としては
▽「通院・薬の服用」は39%
▽「有給休暇」が17%と続きました。
連合東京では「生理休暇は男性上司などに知られたくない思いから取りにくいという声があり、更年期障害には専用の休暇もなく我慢しながら働く人や仕事を辞める人もいると聞く。更年期障害でも休みやすい制度の議論が必要だ」と話していました。
2022年06月28日 09:06

「賞状」を「症状」ともじり侮辱“パワハラで自殺”遺族が提訴!(令和4年6月27日.NHKnews)

青森県の住宅会社の男性社員が、上司から勤務成績を表彰する「賞状」を、病気の「症状」ともじり「大した成績を残さず、あーあって感じ」などと侮辱することばを書いて渡されるなどのパワハラを繰り返された末、自殺したとして、遺族がこの会社などに対して8000万円余りの損害賠償を求める訴えを起こしました。

●訴えを起こしたのは、4年前に自殺した青森県八戸市の住宅会社「ハシモトホーム」の40代の男性社員の遺族です。訴えによりますと、男性は青森支店の住宅販売課で営業職として勤務していましたが、上司から「おまえはばかか」などのメッセージを繰り返し送られたほか、新年会の席では、勤務成績を表彰する「賞状」を病気の「症状」ともじり「大した成績を残さず、あーあって感じ」などと侮辱する内容を書いた紙を渡されたということです。男性は、その1か月後に精神的な病気を患って自殺したということです。遺族は「パワハラ行為を防止する具体的な措置を講じる注意義務を怠った」などと主張し、会社と社長に8000万円余りの損害賠償を求めています。

●男性の妻は「愛する人を失い、立ち直れないほどの悲しみは今も続いている。社員に長年パワハラを続けていたことがとても残念で、腹立たしく思っている」とコメントしています。提訴を受け「ハシモトホーム」はホームページ上にコメントを掲載し「本件を重く受け止め、最大限誠意ある対応をとる所存です。現在、原因の調査並びに再発防止策の取りまとめを進めており、取りまとめ次第、速やかに公表させていただきます」としています。

syoj
2022年06月27日 09:23

2022年10月から雇用保険料の負担が増える!月給30万なら「900円→1500円」で600円の増!?!(令和4年6月24日.YAHOO!ニュース)

2022年10月から失業等給付や育児休業給付に対する保険料率が、労働者の負担分、事業主の負担分ともに引き上げられます。つまり、雇用される労働者の負担が増えるのは、10月からになります。

●労働者の負担する金額は保険料率の引き上げ前後でどの程度変わるのでしょうか。一般の事業の保険料率は9月まで0.3%でしたが、10月からは0.5%となります。農林水産・清酒製造の事業および建設の事業では0.4%から0.6%に引き上げられます。

●一般の事業で考えますと、賃金の総額(月額)が15万円の人は、2022年9月までは450円ですが、10月からは750円を納めることになります。賃金総額30万円の人は、2022年9月までは900円ですが、10月からは1500円になります。賃金総額が50万円の人なら、2022年9月までは1500円ですが、10月からは2500円と、負担が1000円増えることになります。年換算ではさらに大きな額となります。さらに、賞与を受け取っている労働者の場合は、賞与からも雇用保険料が引かれることにも注意しましょう。
2022年06月24日 16:33

セブン訴訟で浮かぶフランチャイズの課題「対等な関係」は道半ば!(令和4年6月24日.朝日新聞)

コンビニ大手のセブン―イレブン・ジャパン(本社・東京)と、フランチャイズ・チェーン契約を解除された元店主が互いを訴え合った裁判で、大阪地裁(横田昌紀裁判長)は令和4年6月23日、セブン側の訴えを認め、元店主に対し、店舗の明け渡しと、契約解除に伴う違約金に相当する約1450万円の支払いを命じました。元店主側は控訴する構えです。

●大阪府東大阪市の「セブン―イレブン東大阪南上小阪店」の店主だった松本実敏(みとし)さん(60)は2019年2月、深夜の人手不足などから24時間営業をやめ、元日の休業を表明するなど「24時間365日」のコンビニ業界に一石を投じました。しかし、セブン側は同年12月、「異常な顧客対応」を理由に契約を解除し、2021年5月、店舗の駐車場に建てた仮設店舗で営業を開始。両者が対立を深めていました。

●セブン側は、契約解除後も松本さんが立ち退かないとして、店舗の明け渡しや契約解除に伴う違約金に相当する約1450万円の賠償を求めて提訴。松本さんの顧客対応をめぐり、全国平均の約9倍の苦情が寄せられるなどして同社のイメージが傷つけられたとし、契約解除は正当と訴えました。一方、松本さんは「契約解除には理由はない」として、店主としての地位の確認を求めて反訴。24時間営業をやめてから、契約の解除を持ち出されるようになったとし「夜間休業などを理由に契約解除ができず、別の問題を持ち出した。契約解除権の乱用だ」と主張していました。

●セブン―イレブン・ジャパン本部と大阪府の加盟店元店主との対立は、2019年2月に時短営業に踏み切ったことに始まり、3年におよびます。この間、国が時短営業の容認を業界に働きかけるなど、一定の変革は進みました。しかし、幅広い業界に定着するフランチャイズ方式で、本部と加盟店が「対等な関係」を築くには、なお課題がありそうです。
2022年06月24日 09:25

障がい者労働時間、短時間でも算入 企業の雇用制度見直しへ!(令和4年6月21日.朝日新聞)

厚生労働省は、企業などに義務づけている障がい者の雇用をめぐり、新たに週10~20時間働く精神障がい者らも雇用率に算入できるようにする方針です。長時間働くのが難しい人たちの就労を後押しするねらいがあります。一方、働く障がい者が一定程度まで増えたため、今後は雇用の量より質を重視する支援制度に変えていきます。

●現在、企業に対して従業員の2.3%以上の障がい者(週20時間以上就労)を雇う義務がありますが、今後は就労時間が週10時間以上20時間未満の精神障がい者と重度の身体・知的障がい者も対象に追加した上で、一定人数を超えた分は、調整金を半額にし、報奨金は支給しない代わりに職場定着支援などを拡充していく方針です。
2022年06月21日 10:09

男女の賃金格差 情報開示をテコに是正図れ!(令和4年6月21日.讀賣新聞)

近年、「女性活躍の推進」は国の労働政策の柱となっています。単なるスローガンに終わらせないことが大切です。政府は、男女別の賃金格差の情報開示を企業に義務づけることを決めました。「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に盛り込みました。関係する省令を改正し、今夏からの実施を目指しています。対象は、従業員301人以上を雇っている全国約1万8000社となる見通しです。公開方法を含め具体的な制度設計は、厚生労働省の労働政策審議会で決めます。

●労働力人口が減る中、女性の働き手を確保することは重要です。政府は2015年、女性活躍推進法を制定し、女性の登用を進める行動計画の策定を企業に求めました。今回の取り組みで、女性の処遇改善を促す狙いは理解できます。男女の賃金格差の是正は、連合が強く求めていたものです。企業側にとっても、性別にかかわりなく活躍できる職場だと示すことができれば、企業価値の向上につながります。経済協力開発機構(OECD)の調査によりますと、英国、ドイツなど欧州の主な国では、女性の賃金は男性の9割程度なのに対し、日本は77・5%にとどまっています。管理職が少ないことや、勤続年数が短いことが背景にあります。ただ、男女の賃金格差が生じる事情は、企業によって様々となっています。

●男性の多い企業が女性の新卒採用を積極的に進めた場合、勤続年数の短い女性が増えます。一時的に全体としては、男女の賃金の差が広がるのはやむを得ません。飲食業など非正規雇用で働く女性が多い業種では、賃金差が開きがちです。一律に数値の公表を義務付けるだけでは、企業によっては不利益になりかねません。政府は、企業側の実情に配慮し、格差が生じている理由や、是正に向けた取り組みについて説明できる手立てを講じるといいます。無論、非正規労働者の処遇改善も促し続けねばなりません。政府はかつて上場企業に対し、有価証券報告書で賃金格差を公表するよう義務付けていました。企業の事務負担を軽減する観点から、1999年に廃止しました。国は今回、再び有価証券報告書への記載を求める方向で検討しています。女性の管理職の割合などがわかる厚労省の「女性の活躍推進企業データベース」には、2万2000社が登録しています。こうした仕組みなどを活用し、求職者が情報を入手しやすくなることが望まれます。
2022年06月21日 09:47