新型コロナウイルス感染拡大の影響で休業せざるを得ないのに、勤め先から休業手当が支払われない労働者を支援するため、政府が新たな給付金を創設する方向で検討していることが令和2年5月13日、政府関係者の話で分かりました。政府内には休業中でも失業とみなして失業手当を支給する案もありましたが、「安易な解雇につながりかねない」などの懸念があり、新制度導入に方針転換しました。
●政府は雇用維持のため、感染症で業績悪化して労働者を休ませ、休業手当を支払った企業に「雇用調整助成金」を支給しています。しかし手続きの煩雑さや企業負担の発生などを嫌って企業が休業手当を払わないケースがあります。このため労働者が給付金を直接受け取れる仕組みを設け、生活支援します。
●関係者によりますと、政府は与党の議論を待って制度設計を進める方針ですが、中小企業の労働者を対象に、賃金の一定割合を給付する案を検討しています。税金を含む一般財源を活用し、正社員だけでなく、週20時間未満勤務で雇用保険に加入していないパートやアルバイトといった非正規労働者にも給付する考えです。
●労働者本人が休業証明書などの書類を添えてハローワークに申請することを検討。窓口に人が殺到するのを防ぐため、オンライン申請や郵送といった手段も講じる方針です。
2020年05月14日 08:54