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一般社団法人日本人材育成協会

JAPAN PERSONNEL DEVELOPMENT ASSOCIATION

労務管理TOPICS

NHKの31歳女性記者が過労死 残業、月159時間!(平成29年10月5日.朝日新聞)

日本放送協会(NHK)の記者だった女性(当時31)が2013年7月に心不全で死亡したのは過重労働が原因だったとして、2014年に渋谷労働基準監督署(東京)が労災を認定していたことが分かりました。NHKが平成29年10月4日、発表しました。ピーク時の時間外労働は月150時間を超えていました。

●新入社員が過労自殺した広告大手・電通に続いて、公共放送の職員の過労死も発覚したことで、メディア関連企業の長時間労働の是正を求める声がさらに強まりそうです。遺族は今夏以降、女性の過労死を局内全体に周知して再発防止に生かすようNHKに強く求めてきました。女性が労災認定を受けてから3年余りです。NHKはこの間、電通の過労自殺事件をはじめ、過労死問題を手厚く報道してきましたが、局内で起きた過労死については、遺族から強い要望を受けるまで職員に広く周知していませんでした。NHKや遺族の説明によりますと、亡くなったのは、入局9年目だった佐戸未和(さど・みわ)さん。2005年3月に一橋大法学部を卒業後、同年4月に記者職としてNHKに入局。鹿児島放送局で5年間勤めた後、2010年7月から東京・渋谷の首都圏放送センターで勤務していました。同センターでは、主に東京都政の取材を担当。都庁の記者クラブに所属していました。亡くなる直前は、2013年6月の都議選、同7月の参院選の報道にかかわりました。参院選の投開票から3日後の7月24日ごろ、都内の自宅でうっ血性心不全を起こして急死しました。

●渋谷労基署によりますと、亡くなる直前の2013年6月下旬から7月下旬まで1カ月間の時間外労働(残業)は159時間37分。5月下旬からの1か月間も146時間57分にのぼりました。労基署は都議選と参院選の取材で「深夜に及ぶ業務や十分な休日の確保もできない状況にあった」と認定。「相当の疲労の蓄積、恒常的な睡眠不足の状態であったことが推測される」としました。遺族は2013年10月に労災を申請し、翌年4月に認められました。遺族が業務用のパソコンや携帯電話の使用履歴などを調べたところ、労基署が認定した残業(6月下旬からの1か月で約159時間)を上回る長時間労働が判明したといいます。佐戸さんの父は「適切な労務管理が行われず、長時間労働が放置されていた。NHKは未和の死を忘れず、全職員で未和の死を受けとめ、再発防止に力を尽くしてほしい」と話しています。NHK広報は朝日新聞の取材に対し、「当初は遺族側から公表を望まないとの意向を示されていたので、公表を控えていた。佐戸さんの死をきっかけにした働き方改革を進める上で、外部への公表が必要だと判断した」としています。
2017年10月05日 14:12

過労自殺男性の両親に「大した仕事していない」!(平成29年10月5日.読売新聞)

信州名鉄運輸(長野県松本市)長野支店で勤務していた男性(当時28歳)の自殺の責任を巡り、両親が平成29年10月4日、会社側に計7784万円の損害賠償を求める訴訟を長野地裁に起こしました。提訴後、長野市内で記者会見した男性の父親(61)は「息子のつらさ、苦しさ、悔しさを思えば、泣き寝入りすることはできなかった」と語り、会社側から十分な説明や謝罪がないことに憤りをあらわにしました。

●記者会見に同席した代理人の山崎泰正弁護士によりますと、自殺した男性の2014年4月から15年1月までの時間外労働は、月100時間から175時間に上りました。ただ、これは業務パソコンの記録に過ぎず、男性にはそれ以上に相当な時間外労働があったといいます。配送を手配しきれなかった荷物があると、業務後の深夜に自らトラックで届けていましたが、会社がタイムカードを導入しておらず「実際にはどれくらい働いていたのか把握できない」としました。

●男性は2015年2月の朝、母親に「何のために生きているかわかりません。つらい…もう限界です」とメールを送った後、自殺しました。父親は公表した手記で「会社の説明や対応は全く納得できるものではない。息子が『大した仕事をしていなかった』と悪意に満ちた言葉も放っています。会社の息子の扱いが違法であったと認めてもらうために裁判を起こした」と思いを吐露しました。信州名鉄運輸は取材に対し、「訴状が届いていないため、コメントは差し控える。顧問弁護士と協議した上で対応を考えたい」としています。
2017年10月05日 08:42

アスベスト被害、国が元労働者らに国家賠償促す異例の通知!(平成29年10月2日.TBSnews)

アスベスト工場で健康被害を受けた元労働者らに対して、厚生労働省は、国を提訴するよう促す異例の通知を出すと発表しました。

●アスベスト工場の元労働者が健康被害を受けた問題をめぐっては、3年前に国の責任を認める最高裁判決が出ています。  賠償を受けるには、国に対して訴訟を起こす必要がありますが、厚生労働省によりますと、訴訟を起こしていない元労働者と遺族は少なくとも2314人に上ります。厚生労働省は、これらの元労働者と遺族に対し、国を提訴するよう促す通知を出すと発表しました。

●対象となるのは、1958年5月から1971年4月までにアスベスト工場で働き、肺がんや中皮腫などを発症した元労働者と遺族です。国が個別に国を提訴するよう通知を出すのは極めて異例です。
2017年10月02日 16:17

完全失業率8月は横ばいの2.8%、有効求人倍率1.52倍で変わらず!(平成29年9月29日.ロイター通信)

総務省が平成29年9月29日発表した8月の完全失業率(季節調整値)は2.8%で、前月から横ばいでした。3%を下回るのは3カ月連続となります。厚生労働省が発表した同月の有効求人倍率(季節調整値)は1.52倍で1974年2月以来、43年5カ月ぶりの高水準となった前月と変わらずでした。

●季節調整値でみた8月の就業者は前月比20万人増の6565万人。完全失業者は同4万人減の186万人。非労働力人口は同16万人減の4351万人となりました。この結果、完全失業率は2.8%と前月から横ばい。1994年以来、23年ぶりの低水準での推移が続いており、総務省では「雇用情勢は着実に改善している」と判断しています。

●有効求人倍率(季節調整値)は1.52倍と前月と同水準。有効求人数は前月比0.5%増、有効求職者数は同0.5%増でした。新規求人倍率は2.21倍と前月から低下しました。

►ポイント
8月完全失業率------2.8%
8月有効求人倍率----1.52倍
2017年09月29日 15:45

最新の都道府県別最低賃金が平成29年9月30日より順次改訂!(平成29年9月29日.厚生労働省)

都道府県別最低賃金が改訂されます。最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度額を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないとする制度です。毎年10月頃に引き上げられます。

●都道府県の経済実態に応じ、全都道府県をABCDの4ランクに分けて、引上げ額の目安を分けて引き上げています。現在、Aランクで6都府県(26円アップ)、Bランクで11府県(25円アップ)、Cランクで14道県(24円アップ)、Dランクで16県(22円アップ)となっています。

●最低賃金額について、北海道では810円、東京都では958円、大阪府では909円、沖縄では、737円と地域によってはまだまだ差がありますが、前年度同様過去最大の上げ幅となりました。他府県の具体的な額は、以下のリンクを参考にしてください。 

地域別最低賃金の全国一覧

厚生労働省リンク 
2017年09月29日 14:12

ヤマト、夜間専門ドライバー新設へ 宅配現場の負担軽減ねらう!(平成29年9月29日.朝日新聞)

宅配便最大手のヤマトホールディングス(HD)は平成29年9月28日、2019年度末までの中期経営計画を発表しました。違法な長時間労働が常態化した宅配現場の負担を軽減するため、夜間配送に特化したドライバーを新設して残業時間を大幅に減らす「働き方改革」を柱に据えています。ただ、人手不足が加速するなか、計画実現へのハードルは高く、社内外から計画の実効性を疑問視する声が出ています。

●「我々にはインフラとしての社会的使命がある。働き方改革を実行し、社会、社員に利益を還元できる企業グループにする」。ヤマトHDの山内雅喜社長は計画を発表する記者会見でそう強調しました。荷物量の急増や人手不足といった経営環境の激変を受け、2016年度末に公表する予定だった中期経営計画の発表は半年延期されました。この日公表した計画は「働き方改革」を最優先の課題に掲げ、残業時間を正社員は半減、パートは大幅に抑制するとしました。労働時間や休日、給与体系を選べる制度も設けます。働き方改革に関連し、約1000億円の費用が発生すると見込んでいます。

●2018年度までは荷物量を抑制し、その間に宅配事業の構造改革に挑みます。改革の柱になるのが、インターネット通販の普及で荷物量が増えている夜間や、宅配ロッカーへの配送を担う「配達特化型ドライバー」の新設です。7時間勤務の契約社員として、2019年度までに1万人超を確保する計画です。正社員のセールスドライバー(SD)が早く帰れるように負担を軽減する狙いがあります。

●燃料費や人件費の変動を法人客の運賃に反映しやすくする仕組みの導入も正式に表明しました。人件費の上昇が続くなか、一度決めると運賃が数年間固定される今の仕組みを改め、「継続的に運賃を上げられるシステムにする」(山内氏)。運賃決定方法の見直しなどで荷物量を2017年度に18・3億個、2018年度に17・7億個、2019年度に18・4億個にする計画です。当面は2016年度(18・7億個)より少ない水準に抑制します。
2017年09月29日 10:20

健保、4分の1超が解散危機=2025年度試算-健保連!(平成29年9月28日.時事通信)

大手住宅メーカー「大和ハウス工業」の埼玉県川越市にある支社が、おととし営業担当の社員に対して、いわゆる「過労死ライン」と呼ばれる月100時間を超える残業をさせていたとして、労働基準監督署から是正勧告を受けていたことがわかりました。是正勧告を受けたのは、川越市にある「大和ハウス工業」の埼玉西支社です。

●健保組合は全国に1399(2016年度時点)あり、加入者は約2900万人。保険料は企業と社員が原則折半しています。試算では、健保組合の平均保険料率は2015年度の9.1%から25年度に11.8%に上昇。380組合の2025年度推計保険料率は12.5%以上になり、中小企業の社員らが加入する「協会けんぽ」の保険料率を超える計算になります。

●健保組合の保険料率が協会けんぽより高くなると、企業は自前で健保を運営する必要がなくなり、解散につながります。協会けんぽの運営費には国費が投入されており、多くの健保が協会けんぽに移れば、国の財政負担も増えます。
2017年09月28日 15:55

大和ハウス工業支社 長時間労働で労基署から是正勧告!(平成29年9月28日.NHKnews)

大手住宅メーカー「大和ハウス工業」の埼玉県川越市にある支社が、おととし営業担当の社員に対して、いわゆる「過労死ライン」と呼ばれる月100時間を超える残業をさせていたとして、労働基準監督署から是正勧告を受けていたことがわかりました。是正勧告を受けたのは、川越市にある「大和ハウス工業」の埼玉西支社です。

●大和ハウス工業などによりますと、この支社ではおととし5月、20代の営業担当の男性社員に対して、いわゆる「過労死ライン」と呼ばれる月100時間を超える109時間の残業をさせていたとして、ことし6月、労働基準監督署から是正勧告を受けたということです。男性は、こうした長時間労働などが原因で適応障害を発症したと主張していて、新卒で入社してから2年後の去年5月に退職したということです。

●大和ハウス工業では、近年、働き方改革を進めていて、事前に残業を申請しないと強制的に定時でパソコンが使えなくなるように設定したり、照明が自動的に消えるようにしたりするなど、長時間労働の削減に力を入れてきましたが、男性は残業をしても申請しづらい状況があったと話しています。男性は、「9時に電気も落ちて鍵も閉まるんですけど、9時になっちゃったからいったん外出てって言われて、駐車場の車で電気つけてずっと仕事したり、実際は働いていても、とても残業代を申請できる状態になかった」と話しています。
2017年09月28日 09:18

171事業所に是正勧告、違法な時間外労働、群馬労働局!(平成29年9月25日.東京新聞)

群馬労働局は、2016年度に長時間労働が疑われる県内381事業所を調査した結果を公表しました。171事業所(44.9%)で違法な時間外労働があり、それぞれ是正勧告をしました。うち137事業所が月80時間を超えていました。賃金不払いなどの違反も含めると労働基準関連法違反は257事業所に上りました。

●群馬労働局によりますと、171事業所は労使協定がなく時間外労働が行われていたり、協定で定める限度時間を超えていたりしました。月80時間を超えていた137事業所のうち、月百時間を超えるのが87事業所もあり、月200時間を超えるのも2事業所ありました。是正勧告を受けた事例では、旅館業で労働者の約4割に相当する39人に対し、労使協定を結ばずに月80時間を超える時間外労働を行わせ、最長で月224時間にも及びました。時間外・深夜労働の割増賃金が支払われていなかったり、法令で定めるストレスチェックを実施していなかったりした違反もありました。

●外国人技能実習生を働かせていた卸売業の事業所では、労使協定で定める月80時間を超え、月約182時間の時間外労働をさせていました。脳や心臓疾患を発症した労働者に対し、労使協定で定める上限の月70時間を超え、月109時間の時間外労働をさせていた製造業の事業所もありました。群馬労働局によりますと、脳・心臓疾患の発症前の1カ月間に約100時間を超えるか、発症前2~6カ月間に月80時間を超える時間外労働があった場合、業務と発症の関連性が強いとされています。同労働局は「今後も長時間労働が疑われる事業者への監督指導を徹底し、長時間労働の是正に向けた取り組みを積極的に行っていく」としています。
2017年09月25日 16:32

女性医師の4人に1人、過労死ライン超の時間外労働!(平成29年9月21日.共同通信)

日本医師会(日医)が病院勤務の女性医師を対象としたアンケートで、4人に1人が「過労死ライン」と呼ばれる月80時間以上の時間外労働をしていることが平成29年9月20日、分かりました。

●約半数が休職、離職の経験があり、理由に出産、子育てを挙げる人が最も多いようです。月80時間以上の残業がある女性は働く女性全体の3%程度で、女性医師を取り巻く環境の厳しさが浮き彫りになりました。女性が医師全体に占める割合は約20%、近年は国家試験合格者に占める女性比率も30%を超えています。残業規制を柱とする政府の働き方改革が進む中、医師は5年間適用を猶予されているが、医師不足を加速させないためにも労働環境の整備が急がれます。

●調査は、2~3月にかけ全国の約8500病院を対象に実施。約1万人から回答を得ました。その結果、月80~100時間の時間外労働に相当する週60時間以上65時間未満の女性医師は全体の12%、月100時間以上の人が13%に上り、合わせて25%でした。救急や脳神経など100時間を超える人が30%近くいる科もありました。研修医が多い20代は21%が80~100時間、27%が100時間以上でした。宿直や緊急時の呼び出しがあるのは全体で62%、研修医が多い20代は93%でした。宿直翌日は全ての年齢層で70%以上が通常勤務をしていました。全体の38%に当たる3896人が小学校6年生までの子を子育て中で、「普段子どもの面倒を見ている人は誰か」という質問に「本人のみ」「本人と保育所など」と答えた人が最も多く、さらに、38%が夫の育児参加を「不十分」「どちらかというと不十分」と回答しました。「全く協力しない」も5%いました。日医は「医療現場で男女共同参画や育児支援の意識は高まりつつありますが、家庭内ではまだ女性の負荷が大きいようだ」と指摘しています。
2017年09月21日 14:08