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一般社団法人日本人材育成協会

JAPAN PERSONNEL DEVELOPMENT ASSOCIATION

労務管理TOPICS

労働時間の把握を客観的に、過労死対策大綱の改定素案!(平成30年4月23日.日経新聞)

過労死や過労自殺を防ぐために国がとるべき対策をまとめました「過労死等防止対策大綱」の改定に向けた素案の概要が平成30年4月22日、分かりました。

●労働時間の把握を自己申告ではなく、原則としてICカードなどの電子機器や雇用側による現認など、客観的で正確なものにすることを求め、労働実態を正確につかめる仕組み作りを進め、長時間労働の是正を促すことになります。

2018年04月23日 09:39

みなし労働適用「無効」、労基署、自販機大手を指導!(平成30年4月23日.東京新聞)

飲料の自動販売機事業大手のジャパンビバレッジホールディングスが自販機の保守担当社員らに適用していた「事業場外みなし労働時間制」に関し、労働基準監督署が昨年末、東京都内の支店については無効だと指導していたことが分かりました。事業所の外で働き会社が労働時間を把握できない場合が対象ですが、社員は常時電話連絡を受けられたため、会社が実質的に労働時間を管理できたと判断したとみられます。

●同制度は政府が働き方改革で拡大を目指す裁量労働制とともに時間管理が甘くなり長時間労働を助長すると批判があります。労働相談を受けるNPO法人「POSSE(ポッセ)」の今野代表は「運用次第で『定額働かせ放題』になり違法適用も横行している。廃止や厳格化を検討すべきだ」と指摘しています。

●一部社員が加入する労働組合「ブラック企業ユニオン」によりますと、ジャパンビバレッジ東京の支店で昨年12月、労基署が事業場外みなし労働時間制の適用を無効としました。当時は自販機のトラブルなどで利用者から問い合わせがあった場合、支店と外勤の社員の間で常に連絡を取り合えるようになっていました。労基署はこうした点から会社が労働時間を管理できたと判断したとみられます。組合は制度が無効になった結果、残業代未払いが生じたと主張し会社と交渉しています。

2018年04月23日 09:18

年金支給開始年齢「65歳」維持 受給開始年齢の引き上げを見送る方針!(平成30年4月19日.毎日新聞)

厚生労働省は2020年に予定している次の年金改革で、現在原則65歳となっている公的年金の受給開始年齢の引き上げを見送る方針を固めました。

●65歳以上への定年延長が一般化するのは難しいと判断しました。高齢者の働き方の多様化を見据え、70歳を過ぎてからの受け取り開始も選択できるよう見直します。

●年金の受給開始年齢は現在、老齢基礎年金が原則65歳、厚生年金が65歳に引き上げる移行期間中で、男性は2025年、女性は2030年に完了します。希望すれば60~70歳の範囲で変更できます。厚労省は、今後100年程度の年金財政の検証などを踏まえて2020年の通常国会に年金制度改革法案を提出する予定です。

2018年04月19日 09:45

日本郵政、一部社員の住居手当廃止…待遇差縮小!(平成30年4月16日.読売新聞)

日本郵政グループは、正社員のうち転居を伴う転勤がない一般職約5000人に支給している住居手当を段階的に削減し、10年後に廃止することを決めました。

●削減分は現場の人手を確保するため、非正規社員の待遇改善に充てる方針です。正社員の手当を見直し、待遇差を縮小させる異例の対応となります。持ち株会社の日本郵政と、日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険のグループ4社は現在、正社員の住居手当として借家で月に最大2万7000円支給しています。新制度は10月分から適用するが対象社員は最大で年間32万円を超える減収になるため、支給額を毎年10%ずつ減らす経過措置を設け、10年後に全廃します。このほか年末勤務手当の廃止や寒冷地手当の削減などにも踏み切ります。

2018年04月16日 09:32

雇用は増えたが… 生産性・賃金低いサービス業に集中!(平成30年4月10日.日経新聞)

アベノミクスが始まってから、日本の雇用は100万人以上増えています。ただし増加分の8割は女性で、賃金水準が低い介護などのサービス業に集中しています。

●データをみますと労働生産性が高い製造業が構造調整で人手を減らす一方、生産性が低いサービス業に労働力が集まる姿が浮き彫りになっています。完全雇用といわれる状態でも手取り収入は増えず、労働の質は高まっていないのが現状です。

2018年04月10日 13:31

高野山僧侶の労災認定 宿坊の連続勤務でうつ病!(平成30年4月10日.日経新聞)

世界遺産・高野山(和歌山県高野町)の寺院に勤める40代の男性僧侶が、うつ病になったのは宿坊での連続勤務が原因だとして、橋本労働基準監督署が労災認定していたことが、男性の代理人弁護士への取材で分かりました。労働事件に詳しい別の弁護士は「僧侶の労災認定は聞いたことがない」と話しています。

●男性の代理人弁護士によりますと、男性は2008年から寺院で働き始めました。寺の宿坊の宿泊者らが参加する読経の準備を午前5時前から始め、日中は宿泊者の世話や寺院の通常業務に従事。繁忙期には、就業時間が午後9時まで及ぶこともありました。2015年12月にうつ病を発症し、その後休職。同年の4、5、10月に休みが1日もなく勤務が続いたことなどが原因だとして、2017年5月に同労基署に労災申請しました。労基署は同年10月、少なくとも1カ月間の連続勤務が認められるとして労災認定しました。

●代理人弁護士は「修行であって労働ではないとされてきた僧侶の仕事が、労働と認められたという点で意味のある認定だ」と評価。寺院側の代理人弁護士は「コメントできない」としています。高野山には117の寺院があり、ここ10年間、宿坊の宿泊者数は20万~40万人で推移。高野山開創1200年の2015年には44万人超が宿泊しています。

2018年04月10日 09:02

副業・兼業を行う人 過去最高の744万人に!(平成30年4月9日.NHKnews)

本業とは別に仕事をする副業や兼業を行っている人は、過去最高の744万人に達したと見られることがわかりました。

●これは、フリーランスで働く人の実態について調べている業務委託の仲介会社「ランサーズ」が、ことし2月に全国の3000人余りを対象に行った調査から推計しました。それによりますと、副業や兼業を行っている人は744万人で、3年前の調査と比べ211万人増えて過去最高となりました。このうち最も多かったのが、自宅でもできるインターネット向けの記事の執筆やパソコンのデータ入力などの業務で165万人、次いで、営業や企画などを行う業務の137万人でした。

●政府は多様な働き方を実現しようと、企業に副業や兼業を促す方針を打ち出していて、ことしは「副業元年」とも言われています。一方、経団連は企業の機密情報が漏れるリスクがあることなどを理由に慎重な姿勢を示していて、企業の間で副業・兼業を認める動きが広がるか注目されます。

2018年04月09日 14:04

大阪府と労働局、「ブラック企業撲滅」協定!(平成30年4月5日.毎日新聞)

大阪府の松井一郎知事と大阪労働局の田畑一雄局長は、極端な長時間労働などによる過労死をなくし、労働環境の改善に取り組むとするブラック企業の撲滅に向けた共同宣言に署名しました。今後は連携して労働法規の基礎知識を周知するためのセミナーを開いたり、事業者や業界団体への要望をする方針です。

●府内の中小企業を中心に人材不足となっていることを受け、府と労働局で運営協議会を設置し、障がい者や高齢者、女性などの雇用対策を進めること目的にした雇用対策協定も結びました。松井知事は「これまで以上に連携し、全国に先駆けた労働環境の整備に取り組みたい」と話しています。

2018年04月05日 09:22

東京労働局長の処分を検討「是正勧告」発言!(平成30年4月3日.朝日新聞)

厚生労働省東京労働局の勝田(かつだ)智明局長が会見で報道各社に「是正勧告してあげてもいいんだけど」などと発言した問題で、加藤勝信厚労相は平成30年4月3日の閣議後会見で、勝田氏の処分を検討する考えを明らかにしました。一方、勝田氏が昨年12月の会見で野村不動産に是正勧告したと公表したことに対しては、公表していないとの認識を示して改めて説明に食い違いを見せています。

●問題の発言は先月30日の定例会見で、男性社員が過労自殺した野村不動産への特別指導の経緯の説明を求める質問が相次いだ時に出ました。加藤氏は、労働行政の「監督、指導の任にあたる局長の立場として甚だ不適切だ」と指摘しました。安倍政権が重要法案と位置づける働き方改革関連法案の国会への提出を前に、野党からは勝田氏の辞任を求める声が上がっていますが、加藤氏は「処分について厳正に対処したい」と述べるにとどめました。

●野村不動産をめぐっては、勝田氏が昨年12月の会見で裁量労働制を社員に違法に適用したとして是正勧告をし、特別指導したことを公表。ところが、加藤氏は先月30日の衆院厚労委で「私が持っているペーパーでは、会見において触れていない」と答弁し、説明が食い違っていました。この点について、加藤氏は3日の会見で「労働局として認めたことはないと、承知している」と改めて強調しました。

2018年04月03日 13:43

定年後の再雇用 賃金の75%減は違法!(平成30年4月2日.毎日新聞)

定年後の再雇用契約を巡り、賃金の75%カットを提示され退職した元従業員の女性が、勤めていた食品会社に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(木沢克之裁判長)が原告、会社双方の上告を不受理とする決定を出しました。定年後の極端な労働条件悪化は、65歳までの継続雇用を義務付けた高年齢者雇用安定法の趣旨に反するとして、会社に慰謝料100万円を支払うよう命じた2審・福岡高裁判決が確定しました。決定は4月1日付。

●昨年9月の福岡高裁判決によりますと、北九州市の食品会社で正社員として働いていた山本真由美さん(63)は15年3月末に60歳で定年を迎えた際、パート勤務で定年前の賃金の約25%とする労働条件を提示されました。山本さんはフルタイム勤務を希望したため再雇用契約は合意に至らず、退職を余儀なくされました。1審・福岡地裁小倉支部判決(2016年10月)は、「賃金の引き下げは業務が減少したためで合理性がある」とする会社側の主張を支持。これに対し、福岡高裁は再雇用の際の労働条件について「定年の前後で継続性・連続性があることが原則」との解釈を示したうえで、収入が75%も減る労働条件の提示は「継続雇用制度の導入の趣旨に反し、違法性がある」と判断しました。

●一方、山本さんが損害賠償とは別に求めていた従業員としての地位確認については、1、2審とも「再雇用に至っていないので契約上の権利を有していない」として退けました。被告側弁護士は取材に「労働条件の提示に正当性があると主張しましたが不法行為と認定されたことは残念な結果」とコメントしました。労働問題に詳しい花垣存彦(ありひこ)弁護士(第二東京弁護士会)の話では、定年後の再雇用の労働条件を考える上で大変重要であり画期的な判決となります。高年齢者雇用安定法は労働条件の取り決めに具体的な決まりがないので、不当に賃金を引き下げれば訴訟で負けるという例となり社会的影響は少なくありません。「定年前との継続性・連続性が一定程度確保される」というキーワードが今後、労働条件を取り決める際の一つの指針になることが期待されます。

2018年04月02日 09:50