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一般社団法人日本人材育成協会

JAPAN PERSONNEL DEVELOPMENT ASSOCIATION

労務管理TOPICS

「労災はハードル高い」労基署で難色示され申請断念 3カ月後に自殺!(令和4年10月24日.朝日新聞)

職場で横領を疑われて解雇され、うつ病の症状が出たとして労災申請を希望した男性に、鹿沼労働基準監督署(栃木県鹿沼市)が申請書を渡さなかったことがわかりました。

●男性は3カ月後に自殺。遺族は、労基署職員が男性に「(認定は)ハードルが高い」などと繰り返したことなどが労基署に求められる注意義務に違反したとして、国に330万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴しました。遺族は男性の死後、改めて労災を申請。1年後に労災が認められました。同署を所管する栃木労働局は取材に「個別事案の回答は控える。訴訟については訴状が届いておらずコメントできない」と答えています。

●労災申請について、厚生労働省は2011年、労災認定の可能性が低いと説明するなどして「受け付けを拒むようなことは厳に慎む」と各労働局に通知。その後も繰り返しこの内容を通知しているほか、同省が定めた認定の実務要領にも「相談者に請求を諦めさせるものと受け取られるような発言は絶対に行わない」と明記しています。
2022年10月24日 09:37

過労死白書 うつ病要因 男性“連続勤務”女性“いじめ”が増加!(令和4年10月20日.NHKnews)

ことしの「過労死白書」の内容が明らかになり、うつ病などを発症して労災と認定された人について傾向を分析した結果、業種で見ると「医療・福祉」や「建設業」などが増えていたほか、男女でも発症の要因に差が出ていたとして個々に応じた対策が必要だと指摘しています。

●平成22年度から令和元年度までの10年間に仕事のストレスや長時間労働が原因でうつ病などを発症し、労災と認定された4491人について分析しました。 前半と後半の5年間に分けて業種別に比較すると、
「製造業」が全体の17%程度で最も多い状況は同じでしたが、
「医療・福祉」が12%から14%余りに増え2番目に多くなったほか、
「建設業」の割合も7%から9%に増加しました。
また、発症した要因について、比較できる平成24年度からの3年間とその後の5年間で見ると、割合の増加が目立ったのは、
▽男性が「2週間以上の連続勤務」だった一方、
▽女性では「嫌がらせやいじめなどを受けた」となり、差が出ました。

●こうした結果などを踏まえ、白書では「個々の働く人が置かれた状況に応じて労働時間や業務内容を決め、病気や通院にも配慮するなどきめこまかい対策が必要だ」と指摘しています。白書は、近く閣議決定される予定です。厚生労働省によりますと、うつ病などになって労災と認定されたのは昨年度、629人と過去最多となり、対応が課題となっています。
2022年10月20日 15:37

ドル建て賃金4割減 進む円安 細る外国労働力生活環境改善も急務!(令和4年10月20日.日経新聞)

円安が外国人労働者の獲得に影を落としています。米ドル換算の賃金は過去10年で4割減り、アジア新興国との差は急速に縮まっています。建設や介護など人手が必要な業種で「日本離れ」が始まりました。労働力確保には魅力ある就業環境の整備が急務となります。

●外国為替市場での円安進行で、日本で働く外国人から悲鳴があがっています。円で受け取った給与を自国通貨に換算すると、大きく目減りしてしまうためです。海外に住む家族に送金したり、母国へ定期的に帰ったりする機会が多い彼らは、円安による「痛み」を日本人以上に感じています。このまま円安が続けば、日本企業などの人材獲得戦略にも影響する可能性があります。
2022年10月20日 10:38

ハローワークの失業給付受けるための認定がオンライン化、対面不要に離島で先行導入!(令和4年10月17日.NHKnews)

岡田地方創生相は2022年10月14日の記者会見で、ハローワークでの失業認定を2023年4月までに一部地域でオンライン化すると発表しました。失業手当を受けるのに必要な対面の手続きを原則不要にする方針です。まずは離島居住者らを中心に先行導入します。

●現行の制度では求職者が4週間に1回ハローワークに出向き、対面で求職活動中であると示す必要があります。書類の申請と面談を繰り返す必要もあります。規制改革を担当する岡田氏と河野太郎デジタル相、加藤勝信厚生労働相が11日に会談し、規制の見直しで合意しました。

●このほか労働災害を防ぐために常駐を義務付ける「作業主任者」の運用も改めます。ボイラーの取り扱いなど労働安全衛生法が定める31の作業について、デジタル技術で安全確認を代替できる場合は作業主任者の配置を不要とすることで折り合いました。河野氏は14日の記者会見で常駐規制の緩和に関して「技術で様々な代替ができれば民間企業の生産性向上や新しい技術開発につながる」と指摘しました。
2022年10月17日 09:52

国民年金、納付45年へ延長検討 受給水準の低下食い止め!(令和4年10月17日.共同通信)

政府は国民年金(基礎年金)の保険料納付期間を現行の20歳以上60歳未満の40年間から延長し、65歳までの45年間とする検討に入りました。

●自営業者や、60歳以降は働かない元会社員らは負担が増します。企業の雇用延長などで65歳まで働く人は現在も保険料を払っており負担は変わりません。今後の高齢者急増と、社会保障制度の支え手である現役世代の減少を受け、受給水準の低下を少しでも食い止めるため財源を補うのが狙いです。

●社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)が月内に議論に着手。政府は2024年に結論を出し、2025年の通常国会に改正法案提出を目指します。関係者への取材で2022年10月15日、分かりました。
2022年10月17日 09:15

健康保険証を2024年秋に廃止、「マイナ保険証」に一本化…河野デジタル相発表!(令和4年10月13日.讀賣新聞)

河野デジタル相は令和4年10月13日午前に記者会見し、現行の健康保険証を2024年秋に廃止することを目指すと発表しました。マイナンバーカードを保険証代わりに使う「マイナ保険証」に一本化し、カードの普及を加速させます。

●医療機関を受診する際に欠かせない保険証の機能をマイナンバーカードに集約することで、カードを全国民に幅広く利用してもらう狙いがあります。政府はマイナンバーカードをデジタル社会の基盤と位置づけ、2022年度末までに「ほぼ全国民」への普及を目指しているところです。カードの新規取得者らに最大2万円分の「マイナポイント」を付与する事業も進めています。しかし、カードの交付率は9月末時点で49・0%にとどまっているといいます。保険証を廃止し、マイナンバーカードを使って保険資格を確認するようにすれば、医療機関側が氏名や住所をシステムに入力する手間が省けます。保険資格を失った人が、誤って保険証を提示するミスもなくなる利点があります。

●政府は医療機関や薬局に対し、マイナンバーカードで保険資格を確認するシステムの導入を2023年4月から原則として義務づけます。今後はこうしたシステムの導入が円滑に進むかや、保険証廃止後もカードを取得しない人にどう対応するかが課題になります。政府はすでにマイナンバーカードと運転免許証の一体化も検討しているほか、新たに創設する「デジタル田園都市国家構想交付金」の査定では、自治体ごとのカード普及率を考慮する方針で、取得を後押しする施策に力を入れる方針です。
2022年10月13日 11:09

健康保険組合の半数が赤字 保険料増の恐れも 2021年度決算!(令和4年10月7日.朝日新聞)

大企業の会社員らが加入する健康保険組合の半数超が2021年度の決算で赤字となりました。赤字組合の割合は前年度から大幅に増加。医療費の伸びや高齢者医療への拠出金が財政を悪化させています。組合によっては今後、保険料率の引き上げを迫られる可能性がありそうです。

●健康保険組合連合会(健保連)が令和4年10月6日発表しました。全国の1388組合(加入者約2850万人)のうち、赤字の組合は53%(前年度は33%)でした。健保連全体の収支も825億円の赤字で、8年ぶりの赤字となります。2958億円の黒字だった前年度から急激に悪化しました。会社員らの収入が伸びないなか、支出にあたる保険給付や65歳以上の高齢者医療への拠出金が大幅に増えました。高齢者への拠出金は前年度に比べて3%多い3兆6513億円でした。

●新型コロナの感染拡大の影響で受診控えがあった前の年度と比べて、保険給付費が8.7%増加したことや、高齢者への医療費の拠出金の増加によって4600億円余り増え、8兆4666億円となりました。この結果、収支は前の年度のおよそ3000億円の黒字から一転して825億円の赤字となりました。赤字は平成25年度以来、8年ぶりです。加盟する1388の組合のうち、半分を超える740組合が赤字となり、赤字の組合は、前の年度より282増えました。健保連は今後の見通しについて、今年度は一時的に収支が改善するものの、来年度以降は、高齢者への医療費の拠出金がさらに増え、財政悪化が見込まれるとしています。
2022年10月07日 09:48

最新の求人倍率1.32倍、8カ月連続上昇 失業率は2.5%!(令和4年10月6日.日経新聞)

厚生労働省が発表しました8月の有効求人倍率(季節調整値)は1.32倍で、前月に比べて0.03ポイント上昇しました。8カ月連続で前月を上回りました。持ち直しの傾向が続くものの、新型コロナウイルス流行前の水準には届いていません。総務省が同日発表しました8月の完全失業率は2.5%で、前月比0.1ポイント低下した。4カ月ぶりに改善しました。

●有効求人倍率は全国のハローワークで仕事を探す人1人あたり何件の求人があるかを示します。倍率が高いほど職を得やすい状況となります。コロナ禍で2020年9月に1.04倍まで落ち込み、その後は上昇傾向にあります。感染拡大前の2020年1月の1.49倍とは開きがあります。景気の先行指標とされる8月の新規求人数は83万8699人で、前年同月比15.1%増えました。3年ぶりの行動制限がない夏休みへの期待から宿泊・飲食サービスが51.1%増加しました。生活関連サービス・娯楽も28.9%増でした。新規求人倍率(季節調整値)は2.32倍で、前月を0.08ポイント下回りました。8月の就業者数は6751万人と前年同月から12万人増え、2カ月ぶりに増加しました。
2022年10月06日 10:20

トラック運転手ら「休息11時間」努力義務に 2024年から実施!(令和4年10月3日.朝日新聞)

トラック運転手の長時間労働の是正に向け、勤務と勤務の間に義務づける休息期間(勤務間インターバル)を、現在の8時間から9時間に延ばすことが決まりました。さらに11時間を「努力義務」として新たに設定します。厚生労働省の有識者検討会がまとめた報告書に盛り込まれました。バスやタクシーの運転手については3月に同様のルール改定が決まっており、あわせて2024年4月から実施される予定となります。

●休息は、終業から次の始業までの連続した休みを指します。一方、始業から終業までが拘束時間とされ、その中に労働時間と休憩時間(仮眠含む)が入ります。厚労省は昨年改正した脳・心臓疾患の労災認定基準の中で、過重業務にあたるか判断する際には、休息がおおむね11時間未満の勤務がどれだけあったかなどを評価する、と定めました。欧州連合(EU)では企業に対し、従業員に11時間の休息をとらせるよう義務づけているといいます。
2022年10月03日 09:45

厚労省、フリーランス新法案を調整!(令和4年9月27日.厚生労働省)

政府は組織に属さずフリーランスとして働く人を下請法の保護対象に加える調整に入りました。一方的な契約変更や買いたたきといった不公正な取引から守ります。2023年の通常国会への関連法案の提出をめざします。

●労働政策審議会の第52回雇用環境・均等分科会は、フリーランス保護を目的にした新法制定について、厚労省から
(1)企業はフリーランスとの契約を打ち切る場合、30日前までに予告する
(2)業務終了後、60日以内に報酬を支払う
(3)理由なく商品の受け取りを拒否したり、報酬を減額したりすることを禁止する
などの説明がありました。

●政府の調査では、フリーランス関連のトラブルは年々増えており、2020年度は1332件、2021年度は4072件に達し、今年度は8月時点で2826件に増えています。配送やシステム開発・ウェブ作成などの業種に多く、相談の内容は報酬支払いや契約内容についてが過半数となっています。現行法では下請法によって資本金1000万円超の企業が規制の対象になるが、フリーランスに委託している企業の4割ほどは同1000万円以下の企業で対象外となっていることなどから、保護の網を広げるため官邸が中心となって新法作成を急いでいます。しかし、この日の審議では、フリーランス問題について労政審の"出番"がないことから、労働者側委員から「分科会への報告のみで済ませるのは違和感がある。雇用関係がないとは言っても、フリーランスの"労働者性"の問題などについて議論すべきであり、実態に基づいて判断すべきではないか」との批判が出ています。
2022年09月27日 10:05